ウォーハンマー40kはターン制のため、先攻が先に攻撃できます。序盤は射撃戦がメインとなるウォーハンマー40kでは、先攻が明らかに有利に感じられますが、実際には先に初期配置したほうが先攻となるために、後攻側は相手の配置を見てから自軍の配置を決めることができる、終了間際にメイン目標を確保できる、などの有利さがあります。Arrowsの勝率統計を見ると、先攻と後攻での勝率はほとんど変わらないようです。

しかしアーミーやロスターによっては、明らかに先攻が有利というものもあります。その日の自分のロスターが先攻を取るべきかどうかをあらかじめ見極めておくことで確実に勝率が変わると思いますし、出来ることならば先攻と後攻の両方に対応できるロスターにしておきたいところです。そのためにも先攻時、後攻時の戦略を良く考え、それに合わせたロスターを組み、適切な初期配置をすることが望まれます。

第1ターンの目標のひとつに、サブ目標である先制打撃を取ることがあります。前回でも説明しましたが、殲滅戦以外のシナリオではメイン目標のポイントは引き分けになることが多く、ほとんどの場合はサブ目標が勝敗を決めることになるためです。特に先制打撃はどちらか一方だけが取れるポイントであり、これを取ってしまえば、相手は目標確保をひとつ余分に取るか、サブ目標の残りふたつを両方とらなければ勝てないことになります。1ターン目からこのプレッシャーを与えることが出来れば相手は無理をせざるを得なくなり、ミスを誘うことが出来ます。逆にこちらは目標確保は引き分けでも良く、あとはサブ目標を取らせないようにすれば勝てることになります。

先制打撃で最も取りやすいのは、ビークルの破壊です。ビークルは大抵の場合、1台で1ユニットとなっており、貫通して爆散させれば1発の射撃で破壊できます。相手のビークルを1ターン目に破壊できる火器をもっておくことは、勝利への近道ということになります。これが長距離から高火力で射撃する武器、例えばラスキャノンのようなものであれば、初期配置が重要です。

狙うのは出来る限り装甲の薄いビークル、オープントップのビークルです。例えばスペースマリーン系の兵員輸送ビークルのライノは装甲値が11、攻9貫通2のラスキャノンで撃った場合、ダメージロールは出目3で貫通、装甲貫通判定は5+で爆散となります。確実に先制打撃を得るためには、確率から考えると、貫通なら3分の1、跳弾でも3発で破壊ですから同じです。スペースマリーン系であれば射4でラスキャノンを撃ちますから、?=4/6ヒットx5/6ダメージ=3跳弾で、5.4発のラスキャノンを用意しておく必要があることになります。ツインリンク・ラスキャノンであれば4本で済みますし、装甲値10のランドスピーダーやオープントップのビークルであればもっと簡単に落とせます。

1500ポイント戦で1ターン目からこれだけの火力を撃てるロスターを組めるアーミーは少ないかもしれませんが、ぜひ自分のロスターにどれだけの火力があれば先制打撃を高確率で取れるかを計算しておくといいと思います。そこから初期配置をどうすれば良いかが考えやすくなります。もちろん先制打撃のことだけを考えて初期配置を決めるわけではありませんが、私は勝率を上げるための大切な要素だと思います。

まず自分が後攻だった場合を考えましょう。後攻の場合、相手が先に射撃してきますので、装甲の薄いビークルはカバーセーブの取れる位置に配置します。歩兵ユニットなどは1ターン目から大量に撃たれることは少ないのでまず全滅することはありませんが、ビークルは集中砲火を浴びると1ターン目で落ちますので、カバーセーブは重要です。相手の長射程火器の配置をみて、テレインのカバーセーブが取れる位置、かつ自軍ターンに相手の軽装甲ビークルに反撃できる位置に置くのがベストです。

逆に自分が先攻の場合はその逆を考えることになります。ビークルがカバーセーブを取りにくいように配置すればいいわけです。テレインの数は限られていますので、全てのユニットがカバーセーブを得られるように配置することは困難です。相手がカバーセーブを取りにくいようにこちらが配置すれば、必ずいずれかのビークルはテレインの外に配置せざるを得なくなるか、進軍しにくいのを覚悟でボードの端に配置することになります。

このように長射程の火器による先制打撃を意識して初期配置を行うことで、相手が不用意に前に出れば先制打撃を取ることができ、それが難しい配置をしてくるのであれば敵の進軍が遅くなる、または反撃がしづらくなることになります。それはそれで次の自軍ターンに再び先制打撃をとるチャンスが訪れます。

例えばメイン目標が4ヶ所の時、3ヶ所を自分が確保すれば勝ちですが、それは目標確保以前にすでに圧勝している状況でない限り難しいです。2ヶ所確保+先制打撃で勝ちと考えると無理が無くなります。