運転中に突然エンジンがかからなくなるバッテリー上がりや、走行不能に陥るタイヤのパンクは、誰にでも起こりうる車の代表的なトラブルです。いざという時に慌てず、迅速かつ適切に対応するためには、カーレスキューの呼び方と料金相場を事前に知っておくことが非常に重要です。まず、車の救援を依頼する際の主な選択肢は「JAF(日本自動車連盟)」「自動車保険付帯のロードサービス」「民間のロードサービス専門業者」の三つに大別されます。JAFは会員であれば、バッテリー上がりやパンクの応急修理といった多くのトラブル対応が原則無料となり、その手厚さと全国を網羅する安心感が最大の魅力です。年会費はかかりますが、利用回数に制限がなく、車ではなく「人」にかかるサービスなので、友人の車や会社の車、レンタカーでのトラブルでも利用できるのが大きな利点です。非会員でも依頼は可能ですが、例えばバッテリー上がりのジャンピング作業で13,000円~15,000円程度、パンクの応急修理で13,000円~17,000円程度(いずれも昼間の一般道での料金目安)と、会員に比べて割高な料金が発生します。次に、現在加入している任意の自動車保険にロードサービスが付帯しているかを確認しましょう。近年、多くの保険会社が無料のロードサービスを充実させており、これが最も身近な選択肢となるかもしれません。保険会社と提携する業者が現場に駆けつけ、バッテリー上がりやパンク修理、レッカー移動などを補償の範囲内で無料対応してくれます。ただし、保険会社によってサービス内容や無料となる範囲、利用回数の制限などが異なるため、事前に自分の保険契約内容をよく確認しておくことが肝心です。例えば、パンク修理は応急処置までが無料で、タイヤ交換や本体代は自己負担となるケースが一般的です。連絡は、保険証券やアプリに記載されている専用の事故・故障受付窓口に電話します。最後に、JAF会員でもなく、自動車保険のロードサービスが使えない、あるいは補償範囲外の作業が必要な場合に頼りになるのが、民間のロードサービス専門業者です。インターネットで「地域名 ロードサービス」などと検索すれば見つかりますが、料金体系は業者によって様々です。出張料、基本作業料、時間帯(深夜・早朝)による割増料金などが加算されるため、必ず依頼前に総額の費用見積もりを確認することがトラブルを避ける上で重要です。いずれのサービスを呼ぶ際にも、正確な現在地(高速道路であればキロポストやサービスエリア名、一般道では住所や目印となる建物、電柱の管理番号など)、車種、車の色やナンバー、そしてトラブルの具体的な状況を落ち着いて伝えることが、スムーズな救援に繋がります。これらの知識を備えておけば、万が一のバッテリー上がりやパンクの際にも、冷静に最善の対応を選択できるはずです。