ウォーハンマー40kのミニチュアペイントを始めて1年以上が経ちました。最初はゲーム出来ればペイントは取り敢えずでいいや、ぐらいに思っていたのですが、わかってくるにつれ、ペイントの面白さに引き込まれました。ところが、わかればわかるほど、ペイントが上手い人たちのレベルの高さに途方に暮れ始めました。それでも1年、いろいろな方に少しずつ教えていただき、少しだけ光が見えてきました。まだまだ未熟ですが、最近はじめた方からブログ見てますと言われることも増えてきましたので、私の手法でも初心者の役には立つだろうと思い、まとめてみます。
今回は誰もが持っているが、あまりにも細かくて塗っていない人が多いと思われる、ダークヴェンジェンスのケイオススペースマリーン・チョーズンを塗ってみます。
前回のペイント記事では、初めての人がまず塗れるようになることを目的としましたが、今回のペイントでは、きれいに塗る、を目的にしています。とはいえ、ブレンディングやNMMなどの高等技術はまだ私にもできません。その前段階、ここまでマスターすればそれらにも手が届くかも、というあたりです。
まず最初に私が使っている道具の説明から。
私はアーミーペインターから発売されているレジメント・ブラシという筆をメインに使っています。1本700円です。ビークルや大きなモンスターを塗るのでなければ、これ1本でいける筆です。
筆には大きく合成繊維と天然毛の2種類があります。合成繊維は安価ですが、どうしても堅く、今回のような塗り方には辛いです。このレジメントブラシは天然毛で安価なほうです。シタデルの筆でも結構です。ラファエルの筆は確かに良いですが、柔らかく高価すぎて私にはまだ早いと感じました。
筆は消耗品です。どんどんダメになっていきます。天然毛の筆は割と高価なので、痛む使い方(ドライブラシやウォッシュ)にはもったいないです。今回はウォッシュをするために、安い筆を用意しておきます。
私が使っているのはプラモデル用の安いものです。1本150円ぐらいでしょうか。ウォッシュ用なので毛が柔らかいものであれば、100円ショップのものなどでも構いません。
他に用意するものは、キッチン用のペーパータオル、綿棒、パレット、筆を洗うバケツです。筆を洗うバケツは筆を洗う汚い水用ときれいな水用の2個あるといいです。パレットは何でも構いませんが、私はいつもどおりアルミホイルを使います。すぐ捨てられるので楽です。あとはスポイトなどもあってもいいでしょう。
綿棒は失敗した箇所をすぐ拭き取るのに使います。用意しておくことをお勧めします。
パレットは本来、ウォーターパレットというものを使うといいのですが、自作しないとならないので説明はまた今度にします。気になる人は検索してみてください。
サフはシタデルのアンダーコートスプレーのケイオスブラックを使います。アーミーペインターからカラーサフのスプレーが出ていますが、粒子が荒く、圧が低いので失敗しやすいです。きれいに塗りたいときはシタデルのサフをお薦めします。
塗料はシタデルカラーを使います。他社のアクリル塗料に比べ、やはり使いやすいです。隠蔽力が高く、伸びが良いことで、きれいに塗れます。アーミーペインターやファレホなどだと技術でそのあたりをカバーしなければなりません。
色選びですが、アーミーを統一したカラーで、と考えると、混色はしないほうが均一な色になってきれいです。すでにある色からメインとなるカラーを選びます。シタデルカラーにはBASEとLAYERの種類のカラーがありますが、ここではどちらから選んでも構いません。
次に、選んだそれぞれの色に対して、下地の色を選びます。これは必ずBASEから選びます。選んだ色がもともとBASEの場合は無くてもかまいません。BASEは隠蔽力に優れたカラーです。LAYERはどうしても下地が透けてしまいます。
これらの4つのカラーは隠蔽力が恐ろしく高いです。黒の上にぬってもきれいに発色するので、下地として大活躍します。持っておいて損のない色です。
他に、ウォッシュ用のSHADEから1色。金属部分用にナルンオイルとリードベルチャー、革部分にマウンテンブラウンを今回は使います。
記事の都合上、色すくなめにしています。このあたりはご自由に。
道具説明の最後に、メガネです。やはり筆先がはっきり見えていなければ、きれいに塗るのには限界があります。拡大鏡に興味あり、という人は多いと思いますが、その前に一度、騙されたと思って、100円ショップの老眼鏡を試してみてください。度数が 1.0 – 3.5 ぐらいまでありますが、100円ですから適当にいくつか買って自分に合うのを試してみるといいです。
では、本題に入ります。黒サフを吹いたあとのモデルです。サフは一度にブシャーとせず、薄っすらと付くぐらいを何度か重ねるときれいに塗れます。分厚く塗ってしまうと細かいモールドが埋まり、急にペイントの難易度が上がってしまいます。
カラーは塗る前によく振ります。これでもかというほど振ります。塗料は分離しやすく、よく混ぜずに上澄みを塗ってしまうとテカテカになったり変色したりします。
使っていると量が減り、固まり始めて混ぜにくくなります。スポイトで水分を足して、つまようじで混ぜることもありますが、このような撹拌用のステンレスボールが模型店に売ってますので、これを2個ぐらいブチ込むと簡単です。
塗料を筆で取る時ですが、このように筆をドボッと突っ込んではイケません。
いろいろ理由はありますが、ここでは筆について。筆は消耗品で、すぐダメになってしまいます。ダメになる理由の1番は、根元に乾いた塗料がしみこんで、筆先が広がってしまうことです。なので、乾いた筆に塗料をつけないこと、根元に塗料をつけないこと、根元をよく洗うことを心がけるだけで筆は長持ちします。
筆をよく洗い、濡らします。
キッチンペーパーに筆を軽くポンと付け、余分な水分を取ります。
塗料は筆の先のほうにだけ付けます。
このときに直接ミニチュアを塗らずに、一度パレットに付けて水分濃度を確認します。ペンキのようにネバっているなら濃すぎます。
筆先をちょっと水につけ、水分を補給します。パレットに塗り広げてみたときに、さらさらと塗れるならOK、パレットが塗料を水のように弾くようなら薄すぎです。塗料を足したり、水を足したりして丁度よい水分量に調整しましょう。ここ大事なところです。
いろいろやってたら、筆の根元まで塗料がきちゃいました。一度筆を洗いましょう。筆についた塗料がもったいないと思ってはイケマセン。シタデルカラーは高価なのでもったいない気がしますが、実は筆の方が遥かに消耗します。
私が一番塗る色は赤なのですが、シタデルカラー1本で3000ポイント分ぐらい塗れます。ところが筆は700円の筆で、雑に扱うとマリーンを20体ぐらい塗るともうダメになるのです。
筆を洗ったらまたキッチンペーパーで水分を取ります。濡れたままでは塗料の水分調整がまた振り出しに戻るので注意。
筆の先に塗料をつけ、先を尖らせます。
ビンから直接塗った時よりも薄い感じで塗料が付きます。このとき、ペンキのようにベタっと付いてから塗り広げないといけないようなら濃すぎです。逆に水を弾くようになるなら薄すぎ。紙に絵の具を塗るようにさらっと塗れたらOKです。
はみ出してもいいのでどんどん塗ります。
このように筆先がカサついてきたり、まとまらなくなってきたらピンチ。筆をすぐ洗いましょう。
丁寧に塗っていると時間が掛るので、パレットも乾いてきます。
またビンからカラーを出して、水分調節します。少々面倒ですが、この手間はウォーターパレットを導入すれば無くなります。ただその前にこのやり方で適切な水分調整の感覚を覚えないと、ウォーターパレットをどう使うのかがわからないと思います。
うまくいくとこんな感じできれいに塗れます。まだ下地が透けていますが、下塗りなのでこれでOKです。
色が接するところが出てきますが、境目はここで丁寧に塗っておきます。ウォッシュを掛けたあとでは修正できないからです。
他の色も同じように、塗り分けていきます。下地なので薄塗りでOKです。
モールドもすべて塗り分けて、下地塗りが完成です。
ここまでグタグタと書きましたが、最初のころ私がわからなかった、勘違いしていたポイントをしつこく書いてみました。大切なのはこの下塗りで、モールドを潰さないように、塗装面が凸凹しないように、境目がきっちり塗れることです。