ウォーハンマー40kのダーク・ヴェンジェンスを購入してケイオススペースマリーンを選択した方のために、スタートセットで用意されているのがどのようなユニットなのかをひとつずつ解説してみます。まず最初は無慈悲なるクラーノンです。クラーノンはとても格好の良いミニチュアですので、最初はこれをウォーロードにして編成してみるといいと思います。

ウォーハンマー40kのアーミー編成の基本ルールをおさらいします。アーミーはヘッドクオーター、エリート、トループ、ファストアタック、ヘビーサポートに分かれており、最低限としてヘッドクオーターが1ユニット、トループが2ユニット必要です。最大でヘッドクオーターが2ユニット、トループが6ユニット、その他は3ユニットずつまで入れられます。

スターターキットのダーク・ヴェンジェンスにはヘッドクオーターとしてクラーノン1体、トループとしてケイオス・カルティストが20体、エリートとしてチョーズン6体とヘルブルート1体が入っています。ファストアタックとヘビーサポートは入っていません。まずはこのミニチュアを生かしつつ、アーミーを編成していくのがお得なわけです。

せっかちな方は、そんなことより最強の組み合わせを教えてくれよ、と思っているでしょう。私もそうでした。しかし結論からいうとウォーハンマー40kは、TCGのように最強デッキを揃えられれば勝てるというほど単純なゲームではありません。遠回りに思えるかもしれませんが、まずは手元にあるミニチュアをベースに遊んでみて、ルールや戦い方などいろいろと覚えていかないことには始まらないのです。わからないうちにあれこれと購入しても勝てず、やっぱりよくわからないと思います。

まずはヘッドクオーターの無慈悲なるクラーノンですが、ケイオススペースマリーンのコデックスにはクラーノンというスペシャルキャラクターは設定がありません。そこでクラーノンはケイオスロード扱いになります。ケイオスロードは65ポイントです。クラーノンのミニチュアを見てみると、右手には剣を、左手にはプラズマピストルを持っています。ここでちょっと脱線しますがミニチュアの装備の話をします。

ウォーハンマー40kでは、自分の用意するアーミーの構成表、ロスターといいますが、それとミニチュアの見た目、つまり装備が一致していることが推奨されています。が、最初のうちはどの装備が強いのか、どういう組み合わせが良いのかわからないはずです。ロスターを決めないとミニチュアが作れない、戦ってみないとロスターが組めない、という鶏が先か卵が先か状態になります。

そこで最初のうちは、ミニチュアの見た目とロスター上の装備は一致しなくても全然かまいません。一致はあくまで推奨であって、絶対ではないのです。公式なゲームであっても、相手に事前に説明すれば一致していなくてもかまいませんので、まずは気にしないでそのまま作ってしまいましょう。

もうひとつ、ケイオスには混沌神というのがいて、どの神様を信じているかで恩恵が違うとともに、テーマカラーが違っていたりします。また、ウォーバンドという部隊というか軍団みたいなのがあり、やはり色が違います。これらも必ずしもそうしなければいけないものではないので、好きな色を塗ってもいいし、もしくはコデックスのカラーセクションを見て選んでもいいでしょう。

その結果、あなたがこのクラーノンのミニチュアを本来のクラーノンとして使うかどうかが決まります。無慈悲なるクラーノンはクリムゾンスローターというウォーバンドの首領で、コーン神を信奉しています。この設定を活かすならボックスの裏の作例どおりに赤と金のクラーノンにしてみましょう。別なウォーバンドを選んだのであれば、このミニチュアは単なる無名のケイオスロードですので、自由にしてください。

話をもどします。クラーノンの右手は剣を持っているので、ここではこの剣を生かしてみます。ケイオススペースマリーンでは、剣の設定が3種類あります。ひとつ目は普通のクロースコンバットウェポン、つまりただの剣として扱うことです。ふたつ目はパワーソードとして扱うことです。みっつ目がスカラスラックスの炎の剣として扱うことです。

クロースコンバットウェポンを選択した場合は、攻撃力はキャラクターの攻撃力そのまま、貫通力もありません。貫通が無いということは、相手がアーマーセーブ出来るということで、例えば同じダーク・ヴェンジェンスに入っているダークエンジェルのタクティカルマリーンの場合、パワーアーマーを来ています。パワーアーマーは防御力3なので6面ダイスを振って3以上が出ればダメージを無効にできます。つまりクロースコンバットウェポンの攻撃してヒットロールとダメージロールに成功しても、ダメージを与えられる確率は3分の1ということです。

パワーウェポンであるパワーソードを選択した場合、追加で15ポイントが必要です。パワーソードは攻撃力がキャラクターそのままですが、貫通力が3になります。パワーアーマーの防御力3では貫通3の攻撃を防ぐことはできませんので、アーマーセーブ不可となり、そのままダメージとなります。クロースコンバットウェポンの3倍当たるということです。

ついでにもうちょっと説明すると、ケイオスロードは敏捷度が5で、相手のタクティカルマリーンは敏捷度が4です。白兵戦は敏捷度が高い順に攻撃しますので、ケイオスロードが先に殴ります。ケイオスロードが攻撃した後、相手が生きていれば反撃できます。クロースコンバットウェポンでは攻撃の3分の2が防がれてしまいますが、パワーソードなら防げないので反撃が来る可能性がかなり低くなり、おすすめです。ただし、相手がターミネイターアーマーを来ている場合はアーマーセーブ2ですので、貫通3のパワーソードでもクロースコンバットウェポンでも同じ結果です。

スカラスラックスの炎の剣を選んだ場合、というかそもそもこれは何かというと、混沌のアーティファクトという、ケイオスマリーンのヘッドクオーターだけが使える特別な装備で、30ポイント必要です。スカラスラックスの炎の剣は、剣の形をしていますが、ルール的にはフレイマー(火炎放射器)です。フレイマーはテンプレートを敵に重ね、その範囲に少しでもベースが重なった敵に自動でヒットします。ヒットロールはなく、ダメージロールだけ行います。スカラスラックスの炎の剣は、攻4貫通3ですので、タクティカルマリーンに対して使った場合、ダメージロールは攻4耐4なので4以上で当たり、貫通3のためにアーマーセーブできません。つまりテンプレートが重なったパワーアーマーの敵は半分死にます。アサルト1ですので、火炎放射したあとにさらに突撃ができます。

さらに激発というスペシャルルールを持っています。普通フレイマーのテンプレートはミニチュアの武器にテンプレートの細い方を合わせて影響範囲を決めるのですが、激発ルールの場合、武器から12mvまでテンプレートを離すことができ、そこからテンプレートの大きいほうの端が小さいほうより近づかない角度(つまり180度)で自由に撃てます。つまり炎が遠くまで届き、しかも炎が曲がるのです。これに狙われたタクティカルマリーンはひとたまりもありません。フレイマーウェポンはカバーセーブ無視ですので、壁の裏に隠れても無駄です。

ついでにソウルブレイズというスペシャルルールも持っており、ダメージを受けたユニットは持続的に炎上します。詳しくはウォーハンマー40kのルールブック、スペシャルルールのソウルブレイズを見てください。

スカラスラックスの炎の剣は、ルール上、白兵戦用の武器ではありません。このままではクラーノンが白兵戦用の武器をもっていないことになります。しかし、ウォーハンマー40kのルールでは、片手武器はクロースコンバットウェポン扱いとなっています。つまりスカラスラックスの炎の剣もプラズマピストルもクロースコンバットウェポンなのです。

左手にもっているプラズマピストルですが、これをそのままプラズマピストルとして使うか、取り替えるか選べます。プラズマピストルの場合は15ポイントが必要ですが、プラズマは貫通2を持つのでターミネイターアーマーでもアーマーセーブできません。ダークエンジェルのほうのセットはターミネイターが5体もいますので、プラズマピストルぐらいは持っておいたほうがいいかもしれません。

ボルトピストルをプラズマピストルに変えるかわりに、ボルトガンをコンビ・プラズマに変えるほうが射程も長いしラピッドファイアもつくし、ポイントも安いです。しかしコンビ・プラズマはプラズマをゲーム中に1回しか撃てないことに注意してください。コンビ・メルタ、コンビ・フレイマーも同じです。1回の射撃というのがどのくらいの確率で当たるか、そもそもプラズマを撃つチャンスがゲーム中に何回あるかなど、実際に何度もゲームをしてみて体感してみてください。これはあなたの戦術や戦い方のクセにもよるので一概には言えないのです。

上記以外の装備についても、いろいろと試してみてください。数値上だけでは最初はわかりにくいので、実際にダークエンジェルと戦わせてみてください。右手にスカラスラックスの炎の剣、左手にパワーアックス、背中にコンビ・プラズマなんてどうですか。デスウィング・ターミネイターも怖くなくなりますよ。もっとずっと強い組み合わせもありますので、あなたが最強と思うケイオスロードを探してみてください。